小説

料理作品感想会 4 『異世界食堂』

異世界食堂 異世界ものが多く占めることで有名なサイト「小説家になろう」の人気連載小説。 異世界の住人がこちらの世界の洋食屋に迷い込み、高度に発達したこっちの料理を食べてめちゃくちゃ感動する……という話。基本、主役となる客は毎回別で、一話完結。 …

料理作品感想会 3 『くーねるまるた』/『甘々と稲妻』/『幸腹グラフィティ』

くーねるまるた くいしんぼ外国人の貧乏生活。料理漫画でもあり、グルメ漫画でもある。 貧乏ものに必須の、「金がなくても楽しんでます感」を出すのに成功している。アパート暮らしなんだけど、ほぼ全員が女子&大学生くらいの人達でそれがまたちょっと楽し…

料理作品感想会 2 『ネイチャージモン』/『食戟のソーマ』/『山賊ダイアリー』

ネイチャージモン これも料理ものではなく、グルメものだね。ちょっと毛色が違うね。 しかも本作、主に虫とりパートとグルメパートに分かれてるからグルメ漫画とも呼びにくいんだよね。でもそのグルメパートがけっこう面白いんだよなー。 ダチョウ倶楽部の寺…

料理作品感想会 1 『孤独のグルメ』/『高杉さん家のおべんとう』/『きのう何食べた?』

料理作品の感想をまとめてアップだ! 年末の「今年読んだ作品」みたいな記事でアップしようとしていた古い文章も混じってるんだけど、そっちはなかなかアップできそうにない(いずれしたい)ので、とりあえずこういう形で。 料理作品だから読む、ってことは…

『3分間のボーイ・ミーツ・ガール』感想

本はたくさん読みたい。しかし、がっつり読むには時間や精神的余裕がない。 という理由からそれほど読みたくもないショートショートや短編に手を伸ばすことがわりとある。一日一本ずつなら負担にならないのではとか思うわけだが、長編を少しずつ読み進めるの…

有栖川有栖『江神二郎の洞察』感想

高い論理性ってやつを手軽に楽しみたかったので期待を寄せて学生アリスの短編集である本作を手に取る。 見れば判るが、『瑠璃荘事件』についてどうしても一言いいたくて書いた。でも『瑠璃荘』が一番面白かったかな。 本の感想を書くなんて久しぶり。ネタバ…

『蝦蟇倉市事件 1・2』感想

『不可能犯罪が年間平均15件起きる』という架空の街を舞台にした2冊分のアンソロジー。 久しぶりにくだらない本を読んだ(二巻のこと)。二巻は辛かったなー。 できるだけ避けたけどネタバレあり。 - 【1】 - 『弓投げの崖を見てはいけない』道尾秀介 初道尾…

森博嗣『φは壊れたね』考察

ごく一部分についてだけ。!!!ネタバレあり!!! 謎は密室。トリックは、「死体が発見されたと思われた時、実際には被害者は生きていた」というもの。被害者の死亡推定時刻を誤認させるよくあるパターン。本作の場合、密室を破り中に入った発見者が発見時…

谷川流『涼宮ハルヒの分裂』+『涼宮ハルヒの驚愕』

!!ネタバレあり!! 相変わらず宇宙人未来人超能力者たちのいうことはさっぱり意味がわからないからどれほど重大で深刻な事態なのかもわからない。したがって読者視点で起きている危機や問題は長門が伏せったりハルヒが囚われて殺されそうになったりという…

乙一『箱庭図書館』感想

乙一が別名義で活動していたことを最近知って驚いた。まったく知らなかったから小説の仕事をはしていないと思っていた。 それはそうと本作はネット上でも公開されていた乙一名義の作品である。読者から送られていたボツ原稿を乙一が修正して新たな作品として…

米澤穂信『クドリャフカの順番 「十文字」事件』を再読して考えるキャラの好感度問題

里志「僕は意外性のある人間しか相手にしたくないんだ。君みたいな人は記憶にも残ってないよ。そんなんで馴れ馴れしく話しかけられえも迷惑なんだよね。面白い話? 勝負? やれやれ(笑)」 予定外に刷り過ぎた文集が捌けていく様は楽しいし、わらしべシステ…

赤川次郎『赤川次郎ショートショートシリーズ3 幻の恐竜』

全体的にリアリティがなくて、イマイチ乗り切れなかった*1。あんま細かい所に目くじら立てて非難したくはないのだが、乗り切れなかったもんは仕方ない。 ところで、赤川次郎のショートショート三冊を読んでみて解った彼の作風は、以下である。 "浩子"と言う…

赤川次郎『赤川次郎ショートショートシリーズ2 健ちゃんの贈り物』

1〜3巻の中だとこの2巻が一番良い。 ネタバレあり 一冊の古本 古本一冊30円! 水道水は飲み放題っっ!! 早朝マラソン 「サンマは目黒に限る。マラソンは早朝に限る」って、サンマとマラソンを同軸で語ると、「マラソンは早朝に限る」は反語になりやしません…

赤川次郎『赤川次郎ショートショートシリーズ1 復讐専用ダイヤル』

短編って話忘れがちなのでメモ。 赤川次郎をなめてた。すみません。 ショートショートはいいねって感じになったのでもっと読みたいのだが、ショートショートの書き手って他に誰がいるんだろう。 杉田比呂美さんの絵がとても良い味を出している。 ネタバレあ…

城平京『幸福の終わり、終わりの幸福』

!!!ネタバレあり!!! 再読。 いいねいいね。ちゃんと証拠探しのターンが設けてある。ミステリってる! 推理によってある程度納得のできる、確率が高そうでそれなりに説得のありそうな筋を思いついただけで「貴方が犯人です。こうこうこういうトリックな…

城平京『くだんを殺せ』

!!!ネタバレあり!!! 再読。 城平先生のミステリ地力はとても信頼しているし、尊敬もしているのだけれど、残念なことに戴けない箇所を見つけてしまった。 犯人は、歩の元でアリバイを確保し帰宅。その後、焼き物の破片を片付けることで凶器のすり替えを…

読書管理サービスが使えない

読書管理サービスを探して「メディアマーカー」を使ってみるも、あまりに使い勝手が悪く使わず終いになっていたので、この度、「読書メーカー」に登録。 でもこれも使い勝手良くないなー。 やりたいのは、 既読書のリスト化 いつ何を読んだかの記録 一年に読…

森博嗣『僕に似た人』

地球儀のスライス (講談社文庫) まあ君のお母さんは、「誰がそんなことを言った?」と怒ったような顔をしたので、僕はびっくりしました。 「誰が、シュンちゃんの頭が悪いって言ったの?」もう一度、まあ君のお母さんが言います。 ※本話+Vシリーズに関する…

『ぶるぶる人形にうってつけの夜』再考

今夜はパラシュート博物館へ ※S&M・V両シリーズ作品に関する重大なネタバレを含みます。 本話には二つの謎がある。一つは、タイトルにもなっているメインの謎、"ぶるぶる人形"について。 もう一つは、作中で明かされることのないオマケ要素的な謎だ。前者は…

四季

森博嗣『四季』四冊読了。ネタバレ含みます。 シリーズ5作目からという遅めの登場にもかかわらず、各務亜樹良のフィーチャーっぷりは異常。Vシリーズにおいて、5・6・9・10の4作にしか登場していない点だけを見ればサブキャラなのだが、扱いがメインキャラす…

キシマ先生の静かな生活

『レタス・フライ』を読んだので、ふと思い返して森先生の第一短編集『まどろみ消去』収録『キシマ先生の静かな生活』を再読。 こうやって一度読んだものを読み返す、というのはその作品が価値のあるものだった、ということだろう。ラストで衝撃を受けたとい…

森博嗣のキャラ達は、ちょっと舌打ちが多過ぎる

うぉおおおおお! 気付けばVシリーズ4作目『夢・出逢い・魔性』読了から実に半年以上もの時間が経過していたが、 5作目『魔剣天翔』から最終10作目『赤緑黒白』まで読んだ読んだ読んだ読んだ一息に読んだぜちくしょおおおおおおっ! こうなれば当然、間髪詰…