『働かないふたり』 〜いまいち乗りきれなくなってきた〜

働かないふたり 10 (BUNCH COMICS)

こうして筆を執るのは随分久しぶりな気がする。お久しぶりです。
昨年から見るアニメが減っていき、現在はほぼまったく見なくなった。
小説も読まなくなり、マンガはたまにレンタルするか、Web作品を読むか、という程度。
単純に興味が薄れたからであり、このことに関してふがいないだとかは思ってない。
そういう漫画読み・アニオタのプライドのようなものはない。


本作はそんな中めずらしく読んでいるWeb作品だが、正直に言うと惰性である(楽しませてもらってはいる)。
もちろん嫌いではないし、肯定的な記事だって書けるのだが、単行本も今は買っていないという状態だ。
最新167話時点での感想であり、読んでる人向けの感想である。
雑な書き方になる。


本作は作者の人柄がうかがえるような「優しい日常系作品」になっている。
ニート兄妹が主役で、サブキャラに社会のはみ出し者、上手く社会に馴染めなかった人がいるが、暗さや深刻さはない。
日常のギャグネタがベースにあり、脇役たちとの交流が描かれる。
もう一つの軸として「兄の"人間できているエピソード"」があり、平行して描かれる。こちらは単行本のおまけ漫画でも過去のエピソードとして描かれる。
そしてよくある日常系作品と同様、縦軸(読者の興味を引き牽引力となるような変化を伴うストーリー性のある部分)に恋愛要素があり、少しずつ進行していく。


さて、物語作品において「特定のキャラが褒められると自分のことのように嬉しくなる」ことがある。多くは読者の誰もが憧れるような格好いいキャラではなく、視点人物寄り、あるいは引き立て役のキャラである。
「あんま目立ってないけどコイツも実はすげぇんだぜ」的に評価されるとそれが自分のことのように嬉しくなってしまうやつだ。
例を挙げるなら、『トリコ』の小松、『マリア様が見てる』の福沢祐巳、『ダイの大冒険』のポップなどである。『ドラゴンボール』の悟飯やクリリンなんかもそうした要素を含んでいるかもしれない。あとは『スラムダンク』の小暮を始め各チームのレギュラーになれてない奴らとか……。


要は、頑張ってるけど芽が出ないとか、カッコイイ天才になれなかった地位の低い「弱キャラ」が、そうした強キャラに高く評価されたり、一矢報いたりするのが気持ち良いわけである。


で、本作の兄の「人間できているエピソード」はそうした仕掛けのはずであり、最初はわりと気持ちよく読めていたと思うのだが、ここしばらく気になっているのが、「コイツ、べつに鬱屈とか抱えてないよな」ということである。
本作のテーマの一つに、社会的に欠陥であり弱点である「働いてない人間」という属性を持っていたとしても、清い心で正しい行いを積み重ねれば物事は良い方向へ動いていきますよーみたいなのがあって、少しずつ進行するストーリーはそれに説得力とリアリティを持たせるためのものであると理解しているのだが、そもそも兄は「わざとニートやってるだけだよね」という……。


もちろん確定ではないのだが、どうやらそんな感じのようであり、
少なくとも人とのコミュニケーションに自信が持てないとか、社会でやっていけそうにないとか、大きなトラウマを抱えているとか、そうした後ろ暗いコンプレックスのようなものをまったくといっていいほど感じない人間なのである。
ニートであったとしても自分を肯定し、自信を持って生きている人間なのである。


だとするとこれはただの、弱者の皮を被った超絶有能完璧人間だ。
だからそうした目で見てしまうと、兄の「人間できているエピソード」はいまひとつ共感できないし、嬉しくもならない。
物語作品においてキャラになんらかの弱味を持たせるのは読者の共感を呼び好意を抱かせるための常套手段だが、その弱味が(おそらく)偽物とあっては、「良いところ」「すごいところ」を見せられても嫌味に感じてしまうのである。


10巻のAmazonレビューにこういうものがあった。

巻末の作者の日常はいらないかなと思います。作品の余韻が消える上にどうせよくある自分はあまり女性と縁がないから、からの結婚しましたオマケ漫画まで描くのが目に見えます。漫画だけ純粋に見たいなあ。

兄がわざとニートやってるだけの完璧有能超人だとすれば、理由はどうあれファッションでダメ人間をやっているわけで、この種の「裏切り」と同じようなものになりはしないだろうか。
大学受験に失敗した旧友が優等生だった兄の現状を知り、ホッとする(救われる)話があったが、兄が実は失敗したわけではなかったのだとすれば滑稽に映ってしまう。
もちろん兄がわざとニートでいるのだとすればその理由は妹のためというのが最有力だし、すばらしい人間であるのには間違いないだろうが、弱点を持たない彼の「"上げ"エピソード」を見せられてもあまり嬉しくならなくなってしまった。「お前が素晴らしい奴なのはもうわーかったよ!」という感じなのだ。
兄はやろうと思えばいつでも社会復帰できるだろうし、人生どうとでもうまくやれそうすぎる。


本作を手に取った人は、少なからず「"ダメ人間"が立ち直っていく姿」を期待していた部分があると思うのだが、その文脈の中で描かれているのが実は"ヒーロー"であったという点にうまく乗りきれていない次第である。
表向きは冴えない昼行灯だけど実は……というタイプのヒーローだったとしても、それならそれとして「ニート」以外に感情移入させる部分が必要になってくるのではないだろうか。

アイドルマスター シンデレラガールズ ぷちデレラ 財前時子 セリフ集

探したけど、どこにも見あたらなかったので自分でまとめました。
あれほど充実していたデレマスwikiも最近はまとめられなくなっているようでたまに調べたくなったとき不便ですね。
セリフはあいうえお順です。
例によって抜け・間違いなどありましたら教えてください。
そして「なぜ時子様なのか」というのはそっとしておいてください。

ぷちTOP(全30種)

アイドルなんて遊びよ。だからもし退屈させたら、罰を与えるわ。覚悟しなさい
アイドルの面白さは、奥が深いわね。下僕どもの恐怖と歓喜がまるで協奏曲のようだわ
アイドルはいいヒマつぶしになっているわ。もっと私を楽しませなさい。これは貴方の義務よ
頭の悪い喋り方をして仕事が得られるのならそれは利口かもしれないわ。私は嫌いだけど
貴方が私に天職を教えたの。褒美をあげる…大丈夫、痛くても死ぬほど嬉しいだけだわ
貴方の欲しかったものをあげるわ! ただし心から乞うの…ほら、プリーズよ。言ってみなさい
貴方のような常軌を逸した人間が世の中にいると知れただけで収穫だわ。まったく愉快ね
威圧されて声も出ないのかしら? ククク…素直な子は好きよ。さぁ、私の前で跪きなさい!
…イス。ほら、早く引きなさい。トロい奴は冷めた食事と同じくらい大嫌いよ!
いま貴方の意見なんて私は聞いてないのだけれど? 何か勘違いしているのかしら?
カメラマンの心ない賛辞の言葉が耳についたわ。無言でシャッターを切ると死んでしまう生物なの?
下僕が私を求める声が心地いいわ。だけど与えるのは、私の気がむいたときだけよ
この仕事…私を指名なんですって? ふぅん…私に躾けてほしい豚が製作者にいるのかしら
この私を踊らせていると思ったら大間違いよ。私が踊ってあげてるの。覚えておきなさい
さあ…次はどうして楽しませてもらおうかしらね。すべては私のオモチャでしょ
幸い、人並み以上に才能を持っているの。それを利用して誰に咎められることがあって?
その目よ。私を見るその視線…私の鞭が怖くて…ほしいんでしょ。ゾクゾクしてくるわ…
たまには貴方が声を出したらどう? ククク…いい声で叫べるように、私が躾けてあげるわ
時子様と呼びなさい! そう呼ぶことを許可してあげるわ。…クックックッ…アハハハハッ!
……ねぇ貴方、その口から何か垂れ流すのは、私の許可を得てからにして。
プロデューサーだからなに? 肩書で人が従うとでも思っているの? ハッ、それはそれは滑稽だわ
ふん…ここは子供が多すぎるわ。もちろん二重の意味でよ
物を頼むときは、それなりの作法があるでしょう。私に何かさせたいなら、なおのことね
レッスンでは手を抜かないわ。むしろ私は全てに妥協も容赦もしないの。徹底主義者なのよ
レッスンレッスン…よくも飽きないものね。…私は出来ないなんて、ひと言も口にしてないわよ
私がアイドルでいることが、貴方の幸福でしょ。幸福は権利よ。そして、権利には義務があるわ
私が踊るよりも、貴方が私の掌で踊っているのを見る方が滑稽で最高に面白いわ
私のヴィジュアルに意見があるなら言ってみなさい。今日は気分がいいから、聞いてあげるわ
私の姿に気付いたのなら、貴方の方からすぐ挨拶にきなさい。それが礼儀というものよ
私の美声がもっと聞きたいのであれば、それに見合うだけの存在価値を見せなさい!

レッスン

待機

フン…簡単なテストなど飽き飽きしているわ。もっと私が挑む価値のあることはないの?

ランニング

貴方のために走っているのではないわ。自分自身の能力を高める、そのためだけよ
……………………。……………………。………………チッ
やるからには諦めるという選択肢はないわ。逃げるために走っている訳じゃないのよ!
私が貴方を追いかけるなんてありえないわ。貴方が私を追い求める立場でしょ

ボーカルレッスン

気分がいいから私の歌を聞かせてあげるわ。ありがたく私からの施しを受けなさい
この私の美声をこれだけ長きにわたって聞くことができることに、跪いて感謝しなさい!
私の美声に酔いしれている暇があったら、その少ない脳みそでプロデュース案を考えたら?

ダンスレッスン

汗を拭くのも煩わしいわね。貴方も私の汗を拭くくらいの仕事はできるでしょう?
このステップで貴方を踏みにじってあげましょうか? ククク…ただの戯れよ
この程度で私が折れると思って? この程度、私はまだ本気すら出していないわよ

ヴィジュアルレッスン

ヴィジュアルに不満でもあるというのかしら? もしそうならば、名画もただのゴミに見えるのね
ここまできたのも何かの気まぐれね。続けてほしかったら、もっと私を崇め奉りなさい!
誰もが羨むヴィジュアルを持っているこの私がさらに磨きをかけたら、皆がひれ伏すでしょうね!

ボード

退屈しのぎにはちょうどよさそうね。…フン、付き合ってあげるわ
私にやる気を出させるのが貴方の仕事よ。クククッ、私を楽しませなさい
私をアイドルにすると言った口がどれほどのものか、見せてもらうわ

ぷちプロフ

着させられるのではないわ。着てあげているのよ! それを理解した上で選びなさい
この私が着るのよ。分かっているわね。もっとも、似合わない服などないでしょうけど

Ank Pixiv Toolのデータベースを変更する

難しいことなんてよくわからない自分用メモですが、もし同じように困っている人がいたら参考にしてください。もっといい方法あるじゃんという人がいたら教えてください。


pixivの画像を保存するのに「Ank Pixiv Tool(https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/ank-pixiv-tool/?src=search)」を使わせていただいてます。便利。


このツールは使用時、ユーザー名などを自動で取得してくれ、設定によりそれをファイル名に組み込んでくれます。
自分の場合は、「ユーザー名 アップされた日付 タイトル」というファイル名で保存するよう設定してます。


ただし、ユーザー名は都度取得するのではなく、最初に取得したものがずっと使われます。したがってユーザーが名前を変更しても、こちらで保存されるときの名前までは変わりません。たぶん、保存時にそのページから、
ユーザーID取得>データベース(以下、DB)照会>DBから以前保存した名前取得>ファイル名に追加としているのでしょう。
だからDBの名前を変更しない限り決して変わらないわけです。
なにぶんpixivには名前の後ろに「@」付けて、イベントのスペース番号やら「@仕事募集中」やら「@単行本発売中」やらいろいろとアピールしている人が多いんですよね。上手い人ほど宣伝することはある。だから最初にその人の絵を保存したとき「○○○@C85 東A01a」とかだったら、もうずっとそのまま保存されてしまう。C88が開催されてもC89が終了してもずっと!
それを変更しようという記事です。


「ankpixiv.sqlite」というファイルがDBです。
調べたところ、なぜか2ファイル出てきました。
「c:\ユーザー\(ユーザー名)\AppData\Local\Mozilla\Firefox\Profiles\(文字列).default」
「c:\ユーザー\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Mozilla\Firefox\Profiles\(文字列).default」
のフォルダ内です(win7)。
どうもRoaming側のファイルが新しい様子。仕様変更してRoamingフォルダ下に保存するようになったのかも。

これを同じくFirefoxアドオンの「SQLite Manager(https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/sqlite-manager/)」で開きます(Firefoxのツールメニューから起動。ファイル>データベースに接続)。

左エリアから「Table>members」を選択。右エリアの「参照と検索」タブを選択。
一覧が表示されるので変更したいところを変更。


途中で名前を変えたユーザーにはこれで対応できますし、一度ここで変更しておけばイベント毎に「@○-35」とか変更されても平気です。やったー!
まぁその手の「@ユーザー(仮称)」の絵を新規保存する度にDB開いて変更しないといけないんですけどね。ふふ……(そんなに怒ってません)。


このツールはファイル名に機種依存文字が入っていた時、自動で削除してくれる機能も追加してほしいなぁ。

『大神』感想 〜作り込みがハンパなさすぎる神ゲー〜

大神 絶景版 PlayStation 3 the Best ((大神サウンドトラックCD「幸玉選曲集」) 同梱)


 コンシューマーゲームの感想なんて久しぶり。ていうかはじめてレベル?
 「いつか消化しなければならないリスト」に長いこと入ってたゲームだけど、絶景DL版のセール時に買ったものを今ようやくクリアできた。発売から10年経ってないというのは自分にしては上出来かもしれない。
 昔はそればっかやってた「RPG」というものをやるのが今は心底苦痛になっていて、本作も一日30分ずつやってたんだけど、それでも7時間くらいやった辺りで140日くらい放置してしまっていた。でもやっぱりクリアはしとこうともう一度手を伸ばしたらそっからは早かったね。
 プレイ時間はサブイベントまでこなして65時間。5時間くらいやってもストーリーまったく進んでないなんてこともあって、こんなの一日30分じゃ無理だったな。サブイベ無視すればかなり短縮できただろうけど、サブイベの面白さってのもあるわけで、サブイベも戦闘もほぼこなさずクリアして、『大神』やったと言えるかって言うと、言えないよなぁと思う。


 本作に関しては、ストーリー、キャラ、グラフィック、音楽、戦闘、演出や作りこみなどなど、どこを切り取っても出来が良いのでどう話して良いものか迷う。本当、全方位的に高レベルでまとまっていて、心底「カプコンってすげぇなぁ」て思わされた。印象論になるけど、「誰それさんという天才がいるから」っていう個人的な力ではなく、「会社の力」である気がする。


 昔『ドラクエ4コマ』で『魔方陣グルグル』の衛藤ヒロユキ先生が『ドラクエ』を指して「ボタンをテンポよく押すのが気持ち良いゲームは良いゲーム」と言っていて、当時「RPGはストーリーだろ」と演出や設計のことなどまるで分かっていなかった俺はその意味がさっぱりだったんだけど、本作やってると本当にそうだなーと思う。


 やることが完全にハッキリしていて、悩まず迷わずサクサク処理できるときに感じる快感というのが人にはあって、本作もそれを感じさせるつくりが上手いなぁと。
 たとえば、「クローバー発見」>「掘り出す」>「桜花」>「出てきた動物に餌」みたいな流れ。戦闘も、「姑獲鳥」>「疾風などで地面に落とす」>「無礼などで攻撃」>「傘開いたら疾風」>「霧隠して攻撃」>「倒したら霧隠で妖怪牙奪取」みたいに、すべて理解した上で処理できるようになると楽しい。
 このゲームは宝箱が異常に多くて、一つ見つけたらその先にもう一つ、それを開けたらさらにもう一つ……と、どこかに誘導でもされてるかのように配置されてることがあるんだけど、これを追っちゃうのと同じ感覚で気づいたらあれやってこれやって……ってなってる。「釣れば釣るほど大物が捕れます」っていうミニゲーム「釣りイベント」もそうだけど、この「撒き餌による引き込み」は間違いなく本作に通底している設計思想の一つ。上手いのは、作業が小分けになってるわりにギリギリ作業感がない出来になってるってとこ。宝箱なんて「開けたら取れる」ではなく、「開ける」>「取る」と2アクション要求されるのに、それが苦痛にならない。
 やっぱり、ストーリーだとか謎解きだとかゲーム性だとか、「骨」の部分だけ見るとそれほど新しさや画期的なところがあるわけではないと思うんだけど、肉付けの部分が本当に凄くて、それで成功してるよなぁ。


 ストーリー的には「生き方を決める覚悟」みたいなものがテーマになってるように思う。
 アマテラスやウシワカ側のストーリーというのは、過去に何があったかという作品を牽引する謎はあるのだけど、テーマ的に見ると何も訴えてはいないため、その点で言うとイッスンの物語という側面が強い。スサノオもイッスンみたいに周囲の目という重圧とかあったわけだし、クシナダは逆に覚悟できてる側の人間で、「私にはお酒しかないの!」って言いきってたり……。あとは飛脚のハヤテ兄弟とか、陶芸家の名もなき男だとか宝探し男だとか竹取のじいちゃんだとか……ウシワカが言ってた、「旅の中で見てきたはずだよ」というのはそういう人たちのことだよね。そして、コロポックルミヤビの「誰かに褒められるために絵を描くなんて間違ってる!」という辺りのセリフ。やっぱりゲーム作ってるのってそういう迷いや葛藤の末に決断した人たちだろうから、こういうのがテーマになると素晴らしいなと思います。


 ↓↓↓ その他の感想 ↓↓↓

芸が細かすぎ

 人や動物が、体当たりしたり、くわえたり、ジャンプしたり、吠えたり……というアクションの一つ一つに対してリアクションしてくれる。
 そして地蔵を一閃すると首が刎ね(そして元に戻る)、オキクルミに一閃すると「無駄」と表示され、障子を一閃すると部屋の奥が見え、掛け軸などを一閃すると裏に隠してあるものが見え……(イッスンの部屋とか笑った)。何この作りこみは。どれだけの金と時間があればここまでこだわれるんだという作りこみっぷり。これは色々やりたくなるし、試すのが楽しくなる。
 「あの島は絶対なんかありそう」と思って行くと本当に何かしら見つかるとか、「なにか発見しようとしたとき、その期待に応えるように用意されてる」ってのは良いゲームだなぁと思います。
 洋ゲーなんかだともっと凄いんだろうけど、こういうの「自由度高いなぁ」と感じるね。
 あとウエペケレの人たちに桜花すると狼の姿に変わるけど、ストーリー上その姿が必要だったオキクルミ・カイポク以外のキャラも狼状態のモデルが用意されてるとか凄すぎるでしょ。ゲームにはまったく関係ないのに!

不満点

  • イッスンに盗ませたときいちいちメッセージが出て戦闘が止まるのはテンポ悪い。
  • 答選坊は4*4の位置でしか光らないのに、マス目的なものがなく、位置が少しでもズレるとアウトってのはきつい。星座のような補助線or筆が吸い付く親切設計が欲しい。
  • 「釣り」は魚影で判断できるようにしてくれないと、辛すぎる。これは本当に作業になる。
    • 魚影+スピードで判断するしかない。
  • ツヅラオ弔いイベントってないのかよぉ。ずっと洞窟の中に白骨死体が放置されてんだけど、これはちょっとどうにかしてほしいよね。どうにかできるんですか?
  • カイポクレースが勝利後にもできるのと同様に、百鬼夜行も好きな時に何度でもやりたい。ボス戦も。

その他

  • キャラがゴニョゴニョ言ってるのは古代日本的な、現代とは言葉が違うんですよ感を出すためだと思うけど、これかなり良いのではないか。
    • というのも、最近よくあるフルボイスって嬉しい反面うざったいんだよね。テンポよく進めたいのに、喋られてるとつい耳を傾けてしまうし、読んでるところと聞いてるところに生まれるズレが気持ち悪いし、その音声を飛ばすのに抵抗もでてしまう。でもこれなら抵抗なく飛ばせるし、かといって「喋ってる」満足感は味わえる。
      • そういやドラクエの「プルルル……」っていう電子音。男女で音の高さ変えられてたりして……あれもこうした効果を狙って作られてた演出だったのだなぁ。
    • それでいて「よしっ」とか「キャッ」とか、要所ではそのまま喋るのがポイントだよね。
  • アマテラス可愛い。ドラクエに代表されるしゃべらない型の主人公なんだけど、しゃべらないことに必然性があったり(喋れない。他の筆神達は喋れるのに……)、何考えてるかわからなかったり、無言系主人公としては極北とも言えるのではないか。結局コイツはどこまで理解してるのかよくわからないんだよなぁ。いや、人間の言ってることは理解してるとは思うんだけど、ヤマタノオロチと戦う前に、目に見えない結界の中に閉じ込められた時、イッスンが「閉じ込められちまった!」とか言ってる間も目に見えない壁があることを不思議がってずうっと壁を手で叩いてたり、システム上の問題なのかもしれないけど、相手がシリアスに真面目な話してる時も、どっか別の方向見てたりしてたりして、普通の動物っぽいところもあるから、可愛いんだけど、よく分からん奴だなと。
    • 筆神が出た時の演出とかけっこう面白いんだけど、猫神登場時にイッスンでサッカー始めたときはホント笑ってしまった。
  • 人魚泉とか鏡移動とかはあるけどルーラほど便利ではない。んだけど、走ってるのが本当に気持ちいいゲームなんだよなこれ。移動がそんなに苦にならない。
  • ボス戦中に幽霊が出てくる演出熱い(やっぱりまったく意味はない)。
  • 『アルカプ』みたいに戦闘中スムーズに器替えできたらなぁとか思ってしまうね。
    • 『アルカプ』。一閃ガードされたらちゃんと「無駄」って出るのすごく良いよ。

『SHIROBAKO』感想 〜コミュニケーションで見るSHIROBAKO〜

SHIROBAKO 第8巻 (初回生産限定版) [Blu-ray]

 P.A.WORKS。監督:水島努。2014年10月〜2015年03月。


 面白すぎたー。これはさすがに何か書いとかなー。
 現時点ですでに2周はしたし、話数によっては4、5回以上見てる気がするし、まだもうちょっと見そうな気がするくらい面白い。


 昔まだ深夜アニメなんて主流じゃなくて、作品の数自体が少なかった頃好きだった作品を何度も見てたのを思い出す。それ以来ぶりってことはないんだけど心情的にそのくらいの勢い。
 もちろん他の作品も再生しだしたら2回目でも3回目でも面白く見れはするんだけど、本作は再生する前から「また見たいなー」って気持ちが強いんだよね。
 この感覚は『あずまんが大王』や『よつばと!』で体験したやつだ。オチやあらすじは知ってるんだけど、また見たくなる。なぜかというと、筋じゃなくて、印象に強く残ってる部分部分を「また見たいなー」って思ってんだよね。12話で本田さんが「妥協したくない」と熱く語るシーン。ずかちゃんが「私もその内みんなに追い付くウメ」って言うカット(17話)。宮森が背景美術大倉の不在を知り「携帯をお教え願えますか?」と焦りながら尋ねる声の演技(18話)。エリカ様が演出髭仙人の逃亡を阻止してアゴ「ん」と指図する部分の表情(21話)とか……魅力的なパーツそれ自体を見たいなーって思わせられる。で、もちろんそのパーツを見る目的で見始めて、結局全部見てしまうわけだけども。
 中にはあんま見たくないシーンや見るのかったるいシーンもあるけど、全体的に見たいシーンが多すぎる。良いパーツが多すぎるんだよな。まさかこんなに自分に合う作品だとは思わなかった。


 で、本作の伝えたいことって、アニメ制作という仕事のやりがいや面白さ、全員で協力して何かを成し遂げる達成感の素敵さみたいなものだろうし、テーマもその辺りだと思うんだけど、サブテーマとして「コミュニケーションの大切さ」ってのも語ってる。その辺りの描写が徹底していてすごく面白かった。



 まず、トラブルや状況悪化のことごとくがディスコミュニケーションに端を発している。
 1話で、原画が上がらなかったことをタローが報告せず対応が遅れたり、5話の作画orCG問題にて、タローが伝書鳩としてまともに機能せず、誤解が生まれ事態が大事になったり、朝礼の重要さが説かれたり(17話)、「ちゃんとコミュニケーションとってほしいです。瀬川さんたちと」(21話)なんてセリフがあったり……。2クール目からの原作者との問題も同じくコミュニケーションの問題だ。間に出版社を挟んだやり取りで相手の顔が見えずやきもきさせられる。直接会って話したいのに電話はおろかメールすら間接的なやり取りしかできない。
 また、普段はなかなかに有能な宮森が珍しくたしなめられるのも同じところ。
 本田さんには「相談してくれていいからね」と言われ、ナベPには「スタッフを変えるのなら電話でもメールでもいいから一言連絡してくれ」と言われる。報・連・相が十分でなかったからである。


 逆にコミュニケーションが上手くいっている例は、宮森たちアニメ同好会出身の5人の関係だ。この絆の強固さは興味深い。
 途中、多忙によるすれ違いや、各々の仕事の順調さの違いからこの5人の友情にヒビが入り仲違いする展開を予想した人は多いだろう。が、結果は見ての通り。そんなこと一度もなかった。
 それはもう恐ろしいくらい密に連絡をとりあい、不仲フラグに芽すら出させず潰していく様は、「お前ら何週目だ?」と言いたくなるほどの徹底ぶりで、カタストロフとは真逆の妙な爽快感すら感じさせられるほどだった。
 まず、最序盤。にわかに忙しくなりつつある宮森を見送りつつ、絵麻が電話でずかちゃんと会話。ずかちゃんは「日曜に会う約束、まだ生きてるよね?」と確認。5人が定期的に会うことを重要視しているのがわかる。
 その他、「わざわざかけなおしてくれなくても良かったのに」のセリフに見られるように、彼女らはメールに対して電話をかける。携帯を持っているときにメールがきたら、メールを返すのでもなく、家に帰ってから電話するのでもなく、「すぐ」に「電話を」かける。
 さらに、会えなくて情報を共有できなかったら「みーちゃん先輩が仕事のことで悩んでて……」と他の仲間が代わりに伝えるし(10話)、やっぱり「今度集まろう」と言って実際に集まる。「今度」が先延ばしになることもない。忙しくても極力集まる。
 メールより電話、電話より実際に会うということを、これ以上ないほど徹底して実践している。そのことをどれだけ重要視しているかが伺えるだろう。
 それに、ライターの舞茸しめじから女子高での喧嘩について訊かれ「対人スキル高いなぁ」と言われる通り、彼女達はなんだかんだでコミュ力が高いのである。


 そして新人原画の久乃木愛。最初は「なんだこのキャラは?」と思った。
 視聴者のストレス・ヘイトを減らすべく、オーディションに口を挟む三馬鹿や編集者に対し、妙な口癖を付加したり、コミカルに描いたりするのはわかる。しかし彼女はそのようなキャラとは訳が違う。
 実在の人物をモデルにしたり、生っぽいトーンの話し方をしたりして現場のリアルさを描き出そうという本作の作風から一人大きく外れるあくの強いキャラ付け。こいつだけ『アイシールド21』並のデフォルメっぷりである。片言で意思疎通とか小結じゃねーか。
 でもべつにこのキャラは「萌え」の新機軸を模索しようとして生み出されたわけじゃない。公式サイトの人物紹介にあるように「コミュニケーションが苦手」という要素こそが必要なのである。
 このキャラは、「コミュニケーションが苦手でも、伝えようとする姿勢が大事」「伝えようと努力すれば伝わる」「必ずだれかが耳を傾けてくれる」ということを言うためのキャラなのである。
 22話『ノアは下着です。』はそれをよく表しているし、そこがサブタイトルになっているのはやはり少なからず強調したい部分だからだろう。
 木下監督も同じだ。彼も自分のイメージを上手く伝えるのが得意ではない。でもそのことで大きなトラブルにならないのは彼が必死に伝えようとしており、その気持ちに応えた周囲の人間が彼の言葉を汲み取るからだ。
 2話のキャラ(あるぴん)に関する解釈も、作って欲しい曲のイメージを伝える時も、声優さんたちに挨拶をする時も上手くは言えてないのだが、そのことでトラブルには発展しないし、周りの人間が助けてくれる。


 そういうわけで本作、仕事において報・連・相が大事だよーと言っているだけではなく、もう少し広い意味でコミュニケーションについて語っている作品でもあるのである。
 失敗する時は連絡が足りてない。上手く行く時は連絡がいっている。12話で宮森が菅野監督のところに行くとき、夜鷹書房の尾之上さんが電話してくれてるのとか良いよね。振り返ればこの作品、電話するシーンがめっちゃ多い。
 ちなみに電話シーンで通話先の相手の声のある・なしにも注意し、その演出意図について考えてみるのも面白いかもしれない。
 遠藤さんが奥さんと話すときは、電話ごしの奥さんの声が聞こえる。尾之上さんが菅野監督と話すときは聞こえない。木下監督が脱走してアフレコ現場に向かった際、ナベPと話す本田さんの声は聞こえず、ナベPの「――ぇっマジッ!?」だけが突如聞こえる形になっていて笑える。


 あー、本当おもしろい作品だなーコレ。次に感想書くならその時はテーマを設けず好きに雑感でも書き散らそう。

アイドルマスターシンデレラガールズ 〜メタ演出を取り入れた一コマのキャラ表現演出

 世間の皆々様にどれだけ知られてるものははわかりませんが、「即堕ち二コマシリーズ」みたいな(主にエロジャンルの)ものがありまして、かの有名な、「絶対チ○ポなんかに負けたりしないっ!」なんかが代表例であるわけです(元ネタはまったく二コマではないらしいが)。
 「ツンデレ」なんかも最初は「ツンデレって何?」って扱いだったのに、記号化が進むにつれ二コマ的な即デレがややネタ気味にフィーチャーされながら世間一般に浸透していき、最終的には「ア、アンタのことなんて全然好きじゃないんだからねっ!」の一言に集約・表現されてしまい(これなんかは二コマどころか一コマだ)、したがってツンデレの流行頃から、「省略によるチョロイン感の強調表現」というものが流行っていったと言えるかもしれません*1



 というわけで。『デレマス*2』の神崎蘭子ちゃんの話。余談だがいまさら本作に関して話ができるのもアニメ化のおかげだ。


 さて、『デレマス』は「キャラを魅力的に見せる」という意味において非常に優れた作品だと思っている。短いセリフで魅力的に見せるのが上手いんだよな。「どういうキャラなのか」を一発で分からせ、その後ツンデレ的落差を見せ「掴む」ってのが本当上手。
 落差を見せるのは多くの場合は特訓後で、例を挙げると、


 誰も予期せぬ驚くべき進化を遂げてしまった星輝子さん。


ボーイッシュ>女らしいという定番コンボで魅了してくれた東郷あいさん。

 などなど多数在籍。キャラが見違えて見える特訓後(デビュー後)の姿を楽しみにしているPは決して少なくないことと思われます(特訓前の方が可愛いなんてこともザラだけど)。
 だが、これは言わば「二コマ目」にあたる見せ方。中には登場時の一セリフ……一コマだけで落差が表現されてるアイドルもいます。


 その一人が彼女、小関麗奈というキャラで……、


「さぁ行くわよ、○○! レイナサマがナンバー1アイドルになる手伝いをできるなんて、アンタ運が良いわ。後世まで語り継ぎなさい。愚民共がアタシの前にひれ伏す日が楽しみね! アーッハッハッ…ゲホゲホ」


 こんな感じ。「偉そうで生意気なガキだ……と思ったらなんか憎めない子だった」というところを最後の「ゲホゲホ」だけでシンプルに表現する手腕はやるなぁと思うんだけど、そんな中でも神崎蘭子ちゃんは別格。
 なんと彼女は、セリフの後ろに括弧でくくられた翻訳を掲載するというメタな手法によってその二面性や落差を一コマで表現されていたキャラなのである。
 その代表例が当時界隈で流行した「闇に飲まれよ!(訳:お疲れ様です!)」だ。


 当時はたしか中二病キャラが流行りだした頃で、中二病キャラは何人もいたと思うが、この、意味の分かりにくい中二耽美セリフが常時翻訳されるという神演出により、「痛いのが笑える」という他の中二病キャラたちとは一線を引き、「この娘良い子だよ!」というキャラになっていたと思う*3


 そういうわけで試み的には大成功だったカッコ内翻訳だが、よくよく考えると、どういうことなの? 誰が翻訳してるの? ですます調になってるのは意訳? 心の中ではそう喋ってるってこと? と疑問符が連なってしまう(勝手に「!」マークが付属されてたりするので、意訳っぽい感じはする。わざと可愛らしくなるように訳してるだろって)。


 なのでアニメに蘭子が出てくることが分かった時点でこの辺りどう表現するのかが気になっていたのだが、結果は見てのとおり、特別これといった演出もなく、無難に普通の中二病キャラとして扱われていた。
 もちろん、翻訳がなくとも彼女が良い奴で、意外と少し恥ずかしがり屋で……と、その性格は分かるようになっているのだが、やはり「かっこつけて去ろうとする」>「傘を忘れる」のように2コンボでの表現になってしまい、たったの一コマ、一つのセリフで魅力を表現し、ファンを獲得したゲームの演出に比べると見劣りしてしまう。


 アニメなのだからそんな一瞬で魅せる必要もないのだけど、多少不自然でも字幕演出なんかであの魅力を再現して欲しかったなぁと残念に思うわけである。
 その点で言うと、『神様はじめました』における鞍馬の、「登場する際にV系BGMが(やや音量大きめで)かかる」という演出は上手面白かったね。あ、でも特定キャラが喋る時だけ特定BGMに変わる演出は記憶にあるのだと『フルーツバスケット』の草摩綾女が最古だ。よく覚えてたぞ、俺。


 そういう強すぎる演出やメタ的な表現が嫌だというのであれば、作中翻訳してみせた新田美波ちゃんに同時通訳してもらう、なんてシーンくらいは見たいものである。考えてみれば翻訳のですます調は美波ちゃんが訳したようにも見えるし、このアニメが元でキャラに新たな属性や設定・ネタが付加されるのも良いと思うので。


 ……まぁ、ブルーレイ化時に副音声で翻訳ついてたら神だけどな。

*1:探せば『ヤンデレ』などその他の記号的ヒロインの一コマ二コマ表現もあるかもしれない。それならば、省略による強調・記号化技術そのものが発展したと言える

*2:当初は『モバマス』の呼称を使用していたが、とうとうモバイルゲームだけのコンテンツではなくなったためこちらの略称に変更。あるいはアニメとゲームで使い分ける。

*3:なんせ最初のセリフが、「ククク、私の才能を見抜くとは、アナタも「瞳」の持ち主のようね……。私の力に身を焼かれぬよう、せいぜい気をつけなさい。フフ、フフフフフ(訳:プロデュースしてくれてありがとう、頑張ります!!)」である。

更新したい

 お久しぶりです。前記事から4ヶ月くらい経ちますね(それ以前も更新頻度は惨憺たる有様だった)。
 たまにWeb拍手とかアクセス数とか見てたんだけど、いまだにちょいちょい拍手くれる人とかいるし、毎日20人前後の人が訪れてくれているらしいので嬉しかったり申し訳なかったり。そのうちちゃんと記事読んでくれてる人なんてもっと少ないだろうけど、たとえ少なくとも来てくれる人がいるというのは凄いなーとか思うわけです。


 だからというわけではないのだけど、そろそろまた書いていきたいなーって気分になってきたんだよね。記事書くときには考え込んじゃうから時間かかってしまうんだけど、そもそもこのブログ、対象について考えるためにあるんじゃないかっていう風にも思ったし。その時間って自分にとって必要だなってのもあるので。


 あと、前々から考えてはいたんだけど、サイトデザインあたりの改良もしたい。Twitterをサイドバーに貼り付けて、記事未満のつぶやきとか載せても良いかなーとか。今見てるアニメとかはそこに書いとくとかね。アカウント取ったきり放置なのでつぶやく習慣ないんだけど。
 それと、余裕があれば記事描くときに自作絵とかも載せられたらいいなーとか。ちょっとした方向転換。でも、もともとそういう、見てて楽しいサイトにしたかったんだよなぁ。余計記事アップするのに時間かかるようになるかもしれんけど。絵師の人のサイトみたく拍手ページの絵とか描きたいんだよ本当は。


 ……と、こういう決意表明だの宣言めいたことはあまり格好のいいものではないと思っていてあんまやりたくはないのだけれど、間が空きすぎたし、ちょっと変化があるかもしれませんよというお知らせもかねて。
 とかいって、またすぐ更新が滞る可能性は十分にあるんだけど。