四季


森博嗣『四季』四冊読了。ネタバレ含みます。


シリーズ5作目からという遅めの登場にもかかわらず、各務亜樹良のフィーチャーっぷりは異常。Vシリーズにおいて、5・6・9・10の4作にしか登場していない点だけを見ればサブキャラなのだが、扱いがメインキャラすぎる。


春・夏は四季のこれまでを描き、そして秋が犀川・萌絵などの登場するS&M後の時期。
秋は面白かったなぁ。エンタメ的に素晴らしい。
森先生の一番の魅力は会話のスリリングさとかその辺であって、他にもできる人はいるであろう伏線の周到さの類――そうした技術的なところが一番凄いところではないぞと思っているので、そういうところを凄い凄いとは言いたくないんだけど、犀川と保呂草の邂逅は流石にテンション上がらざるを得ない。ワクワクする。
冬はちょっと詩的・哲学的で読むペースが落ちた。ちょっと難しかったね。つか、理解できてないな。要再読。


読んでると森先生が何度も書かれてるモチーフ的・テーマ的なものに気付かされて面白い。よく出てくるものをいくつかリストアップしてみる。


・「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」の問い
・自ら殺されることを望む女性(絞殺が多いか?)
・内と外の定義や、内・外という言い回し。


他にもあった気がするけどこんなとこ? 思いついたらまた書けばいいか。まだGシリーズが待ってる!