アイドルの恋愛や婚約発覚での「荒れ」について

 アイドルの恋愛や婚約が発覚>ファンが荒れる>荒れるファンを見下したり嘲笑するというよくある流れについての私見


 怒るファンに対して、「恋人くらいいれば結婚もするだろうし処女でもないだろう。そのくらいわかってろよ」「ファンなら受け入れてやれよ」「自分が結婚できると思ってたのか?」的な批判が多く見られる。
 たしかにCD叩き割ってアップロードするような人は器量が小さいとも思うし相手の気持ちを考えればやっちゃいけないラインというのはあるだろうが、その人たちが怒る気持ちもわからんではないし、そうしたファンの態度をアイドルに惚れても金出してもない部外者が軽々しく責めるべきではないと思う。


 なぜ怒るのもやむなしと考えるかというと、「アイドル商売」は「風俗」「水商売」などと同じく擬似恋愛を売りにしてる部分があると思うからだ。「特定の異性をできるだけ想起させないようにする」のはすべて同じである(多分)。
 アイドルという存在は、「私を(異性として)好きになって下さい」「私を(異性として)好きになってもいいですよ」という前提で、「恋人はいない」のを暗黙の了解にして売っているものだと思う。ファンは自分が実際に付き合えるとまでは思わないにしても、それを妄想することはできる。「夢を売る商売」というやつだ。
 にもかかわらず現役活動中に「いました・できました」というのでは誠意がない。「『恋人がいない』前提で惚れて金も出した」ファンは怒ってもいいのではないだろうか。なんだか都合よく金だけ搾取されたように感じて「馬鹿にするな・気持ちを踏みにじるな」という気持ちになるのもわかるような気がする。怒るべき理由はあるのだから怒る行為自体がみっともないことであるかのような批判は間違いだ。怒り方に問題がある場合はまた別だが。
 ……と、ここまでは、怒るファンに批判する人たちに対する意見。


 ここからは怒るファンに対してだけど、彼・彼女らも怒るなら「騙し通さなかったことに対して」であるべきで、あくまでそういう「体」であることは理解しているべきだろう。
 そして、「アイドル・事務所側自らの暴露や不注意でバレる」のがご法度なのはもちろんだが、ファン側もそこを探る・追求すべきではない。自分で暴き出して「恋人いた! ファック!」というのは相手が「商売でやっている」前提を見失っていていただけない。
 そして良からぬマスコミの調査や第三者の暴露などによってやむをえず晒された場合は、不可抗力であり事故なのだからアイドルや事務所に対して矛先を向けるべきではないというのが、いちおうの正論だと思う(ファンは納得できないかもしれないが)。


 そして、「騙し抜くならOK」という俺の考えで言うと、『AKB49』のように「実は男」というのもアリだと思う。しかしこの場合さすがに、引退しようがその後いくら時間が経とうが明かすべきではないとは思うけど……という現実的ではない極論で落として終わる。結局これが言いたかったのかよという気がしなくもない。


AKB49~恋愛禁止条例~(1) (講談社コミックス)