赤ずきんちゃんがずきんを脱いだようです


赤ずきんちゃんがずきんを脱いだようです
赤ずきんちゃんがずきんを脱いだようです


買った。読んだ。つまんなかった。
作者の五月病マリオさんは2ch掲示板で二次創作をやっており、それらはまとめサイトやニコニコに転載され人気になっていたものなのだけれど、
本書の場合、"他者のコメントと同時平行で読む"というニコニコ的面白さがなくなっているのが痛い。書籍化に際してその点を不安に思っていたのだけれど、それが的中してしまった形だ。


ストーリーは、元々の話を踏襲しつつ本筋に影響を及ぼさない形で"外す"という流れ。
だから赤ずきんちゃんはちゃんとおばあちゃんの家におつかいに行くし、狼は腹に石を詰められて井戸に落ちる。
大胆に裏切った部分もあるにはあるのだが、問題はその、大胆に裏切った方向がダーク寄りだった、ということだ。ブラックジョーク。
これは全く僕の好みではない。この作者さんを好きな人って、もっとほのぼのしいものが見たいという人ではないのか? 違うとしたら僕だけが楽しめなかったということになっていそうだが、Amazonレビューを読む限り、毒の強さにひっかかりを覚えた人は少なからずいそうだ。ラストのオチの件ですよ?


そして更に言うなれば、もっと原作踏襲率の低い、オリジナル展開溢れる作品が見たかった。
だってだって、設定だけ引き継いだオリジナル度の高い作品かと思ったんですもの。公式のお試し版読んで狼とのハートフルコメディを期待してしまったんですもの……。残念。