2014年01〜03月期アニメ感想 3 『ディーふらぐ!』/『お姉ちゃんが来た』/『鬼灯の冷徹』

ディーふらぐ!  第2巻 [Blu-ray]
 ギャグ。純度の高いギャグ作品が意外と珍しい気がするのは俺が見てないからだろうか。あまりに非現実的すぎるのが嫌なので、好きなジャンルではないかもしれない。


 一番気になったのが話のグダり方なんだけど、これ、あんまりにも話進まずに執拗にギャグ入れすぎてるからなんだろうきっと。
 お笑いの漫才やコントで、ストーリーライン(目的)は提示されてるのにボケまくられることによって話が進まないイライラと同じものを感じる。もちろん、向こうは笑わせるのが目的だし、こっちも笑いたいわけだけど、あんまりにも同じシチュエーションで引っ張られると話進まな過ぎて妙なフラストレーション溜まる。そのシチュエーション内で考えたボケ全部入れたいって欲の結果なんだろうけど、そういうのは本当に一つ一つのネタが面白くないときつい。
 それに加え本作の場合は「ここ見せたい!」「この台詞言わせたい!」みたいなポイントが多かったんだよなたぶん。だからそのやりたいシーン全部消化したり、その台詞へいくための繋ぎのシーンがテンポを悪くしてたんだろう。
 いやマジで、すごいテンポ悪い作品だったよなぁと思う。最終バトルとか特にとんでもなかった。上記の理由以外の原因もありそう。
 とにかく一回見てほしいくらいのグダりっぷりとテンポの悪さだったのだけど……単純にギャグがつまらなかったのか?


 こんなこと言ってるけど、べつに憎んでるとか嫌いとかじゃないです。一応全部見れたわけだし。つまらないと言えばつまらないとも言えるけど、そんな苦痛でもなかったし。
 あと、結局この作品の正義って高尾と船堀だと思うんだけど、萌えでもラブコメでもないギャグ作品でそこ目当てに見ちゃうってのもちょっと不純でしょーもない気がするね。逆に作者は安易にラブコメ化せず、ギャグで勝負してほしいかも。たしかに高尾船堀は鉄板だけど、ギャグが面白ければ問題ないはずだ。


 最後に良いところを。
 「色んな痛い奴がいるけどみんな存在を肯定されている」ところが本作の美点だと思う。この手の作品を好きって人はギャグ以上にそういうとこが好きなんだろうし、こういう学校行きたいんだろうなぁ。本作見てるとつくづくツッコミって愛だよなぁって思いますよね。風間くんは優しい。俺だったら「なんだコイツ」ってなる。


  • 本作はどう考えても「モブキャラ」の定義を間違えてるよね。セリフが与えられてる時点でモブとは言わないよね。名前まであるのにモブ扱いされてた奴もいた気がするし。「この人達は"モブ"です」って、モブじゃねーし。
    • 漫画でも漫才でもこれ言っとけばうけるだろ的な流行りのワードがあって、ちょっと前だと「強気攻め・誘い受け」「FX(溶かす)」。「モブ」ってのも前から存在はしてたけどわりとここ最近一般に浸透してきて、流行りと引き換えに用法誤られだした感ある言葉だよなぁ。それまで専門用語だったものが何かの拍子に広まって、通ぶりたい人達が用法誤ってるのに強引に使い続けて流行るって流れかな。ああ、あと最近だと「乳袋」だ。言いたいだけだろってのが多い気がする。
  • 風間君の友人の播磨拳児もどきと、チビの活躍を見たかったんだけど、部活中心にイベント組まれたら見せ場ないよな。
  • 稲田堤、妙に気に入ったとこあったんだけどそんなに出なかったね。
  • 細かいことなんだけど、船堀が頭にかぶった皮製の鞄と、ポリエステル製の大きい鞄と、どう使い分けられてんだろ。鞄二種類あるのおかしくない?
  • 王様ゲームの割り箸を折るシーン。あれ、相手が抑えてないと折れない上に、どちらか一方しか折れないと思うんだけど……ちょっとよくわかんなかったな。
  • ギャグ漫画にありがちな、ボケ役が異次元級のボケかまし過ぎててただの気違いっていう……。



お姉ちゃんが来た (Blu-ray Disc)
 なんかもうずっと妹妹ばっか言われてて、どっかで見たけど、「『俺妹』『はがない』『はまち』etcetc……ヒットするラノベには全部妹キャラがいる!」って言われるくらい妹って人気コンテンツじゃないですか?
 ようやくきたね、「姉」。
 「姉」は隙間産業だよ! 狙い目だよ! 本作とか『姉ログ(週刊少年マガジン)』とかに続いて行こうぜっ! とか思うんだけど、アレかな。年上趣味は「姉」「母」「人妻」あたりにばらけちゃったりしてる感じなのかな? 「妹」にない互換性が「姉」にはあるってことなのかな?


 さておき本作。前に書いた『マイナー漫画作品』という記事である作品と似てるとか言ってたんだけど、その作品と本作の最大の違いは義理の姉であることなんだよな。一口に「姉萌え」作品と言っても色々ある。本作は、姉がベタ惚れで弟がしっかりしてるパターン。
 っつっても、変な姉自体にはべつに萌えるところはない。姉が弟に大好き大好きって言ってそれが報われたときになんかちょっと満たされるものがあるという、関係性の萌えだ。姉妹じゃないけどニャル子&真尋タイプ。
 こういう作品だと、まともな弟くんがぐいぐい迫ってくる変態の姉を「拒絶する」パターンてあると思うんだけど、そんな強くは拒絶してはいなかったんだよね。そこが良かったなぁって思うんです。姉だろうと何だろうと、「大好き!」って言われてるのに強く拒絶しちゃうのって感情移入できないよね。すごい良いことじゃんて思う。


 弟くんが惚れてるクラスメイトの女子とか、姉の友人の弟とかはわりとどうでもいい。何かしらの人間関係がないと話にならないという都合はあるだろうけど、特別姉萌えにはつながってないからなぁ。
 あとさぁ*1、姉で思い出したんだけど、俺、『帰宅部活動記録(まだ感想書いてない)』の、主人公姉弟の絡みけっこう好きだったんだよなぁ。実はアレが最近の姉弟描写で一番良かった作品かもしれない。


  • 「父親が再婚して、変な姉ができました」ってキャッチーな一言設定説明はすごい優秀ですよね。



鬼灯の冷徹 第1巻 【期間限定CD地獄】Aver.(Blu-ray)(外付け特典なし)
 今期はめずらしく、『ディーふらぐ』と本作とで純度の高いギャグ作品を二つ見たわけだけど、こっちもけっこうグダってたよなぁ。一話あたりが本当につらくて、くっそつまんねぇとなるのは最近の兆候だろうか。
 『ゆゆ式』『ディーふらぐ』同様、見てるうちに慣れてきて、気分によっては進んで見るようになるのだが、作品の尖鋭性に慣れているのか、つまらなさに慣れているのかが不明。


 雑学要素がありけっこう面白いのだが、本人そのものが目の前にいるために挿入がごくごく自然な流れになっているうえ、これ以上ない必然性が伴われているのがスゴイ。というか、「あの世」という設定の一点突破で死者やら妖怪やら神様やら昔話の主人公やらなんでもかんでも出してるのはズルいくらい強引だ。
 死者と妖怪が出るまではわかる。神様まではまだいい。桃太郎とか一寸法師あたりは「ちょっと待て」って本来なるとこなんだけど、コイツ(桃太郎)視聴者がまだよく把握しきれてない一話目に登場して押しかけ女房的にレギュラーの座確保しやがってるんだよなー。なんなん?


 本作については以前『新型日常系のジレンマ』の記事で触れたように、1-2話でひたすらダベってるだけなのが特徴的で面白かったのだが、まぁそのくらいか。あんま言うことないかな。あ、最近では珍しく二話構成だったな。


 あと、実際がどうなのかは知らんけど、すげー女子ウケしそうだなーてのは感じたし、作者が女性というのもすげーわかる。「腐」とは思わないけど、キャラクターがすげーオタク女子っぽい。鬼灯や白澤はもちろん、茄子やシロなど、色んなキャラクターから女子臭を感じる。なんだろうなーコレ。特にこの作者がどうこうではないんだろうけどさ。なんか作品の端々から「女子だなー」ってのが感じられて、それが面白かったかも。「どこ」が「そう」なのかハッキリさせられたら気持ち良いんだろうけど……ホントなんだろうなー。
 でもやっぱ鬼灯のキャラはある種のあざとさというか、欲望剥き出し感が感じられて「う〜ん……なるほどね」ってなりましたね。女子も『ハルヒ』とか見て、「う〜ん……なるほどね」って思ってたんでしょうね。


  • 鬼灯ってけっこうロクでもないよな。白澤のまともさが際立つ。

*1:急に馴れ馴れしいパターン