2013年01〜03月期アニメ感想 3 『たまこまーけっと』/『みなみけ ただいま』/『ジョジョの奇妙な冒険』/『ぷちます』

たまこまーけっと』の感想書けないし、『GJ部』感想も上手く書けた気しないし、日常系・空気系の感想はむずい。


たまこまーけっと (6) [DVD]
 前期『中二病でも恋がしたい!』の感想でこんなことするくらいなら作れよと言っていた完全オリジナル。できるやん。
 世間的な評価としては「こういうのでいいんだよこういうので」って感じなんだろうけど、俺的にはもうちょっと上。すごい良かった。


 何がそんなに面白かったんだと自分でも思うけど、まず一つは30分一話が綺麗にまとめられていることへの満足感か。
 昔から一話が綺麗にまとめられている話が好きで、小説や漫画でもわりと短編好きだったりする。短編って無駄がない奴だとホント美しい(次回への「引き」みたいなのはなるべく無い方がいい)。そこが長編にはあまりない良さであると思うんだけど、本作にもそれが感じられた。
 30分番組なら過不足なく30分で収めてもらって、OPでワクワクしてEDで心地よく余韻に浸って〜って感じで見たいんだよな。最近だと『俺妹』『はがない』が、サブタイトル分けてないのにA・Bパートで全然違う話やってて、15分番組ならそれで良いと思うんだけど、やっぱりちょっと美しさは感じにくい。原作ありきの作品だと難しいと思うんだけど本作はそうじゃないこともあってか自然な形で一話がまとまってて、キレイだったなー。
 それに加えて地味ながら(?)しっかりと動いていてくれていたし、モブまでちゃんと描いてくれてたりで手抜き感なかったしで、「俺今アニメ見てるぜー」って充足感あった。


 あとなんだろうなー。うーん、わからん。マジで本作の感想が二週間くらい書けなくて困ってる。なんなんだろうなーこれ。商店街の人達みんなが家族みたいに仲良い感じが良かったとかってのはちょっとズレてる気するんだけど。そういや昔アニメ版『マリア様がみてる』見てた時もずっと「すげー面白いんだけど、この作品の何が面白いのかわからん」って首捻ってたのを思い出した。
 でも今ようやくわかった気がする。『マリみて』にしろ本作にしろ、俺が繰り返し見てた作品ってのは見てるときの「心地よさ」ってのが強かったんだと思う。
 とか言うと「そんなのわかってたよ」って言われそうなんで、この言語化した時の陳腐感ってちょっと嫌なんだけど、作品自体が「面白い」とか「面白くない」とかじゃなく、好感度高いキャラが善意溢れる行動で話展開させて後味の良いエピソード生んでくれるってのが大事で、その空気に浸れるのが気持ち良くって満足してるわけだ。
 そういうの考えると、前にも言ったかもだけど、「楽しい」も「癒される」も「笑える」も「興奮する」も全部一緒くたに「面白い」に集約されちゃうあたりアレですよね。混乱の元ですよね。


 で、本作はどこが心地良いのかって話だけど、やっぱ「人が人を見る目のあったかさ」って奴か。デラも最終話で「ここにいる間ずっと胸があったかかった」とか言ってたけど、基本みんな、他人の変化に敏感なんだよね。ちょっとした変化も見逃さずに誰かが「変だ」って気付いて「どうしたの?」「喧嘩か?」って声かけて気にかける。まぁ癒し系作品なんて大抵そうやって他人を思いやれる奴らが揃ってんだけど、今思えば本作はかなり意図してそこを作ってたように思う。うん、たぶんそこが良かったんだなー。



  • やっぱなんか芸風が細かい気するな。端役のデザインが若干目立つ造形。悪くない。もち蔵の友人の髪長い奴とか、喫茶店のマスターの若い頃とかちょっと好き。あと、たまこやあんこが幼少時に描いたであろう落書きがそのまま残ってるとことか良かったですね。
  • カメラを動かさないまま短く短く「間」をカットしてテンポ良く見せる手法が毎回レベルで多用されてた(たとえば一話冒頭で三人が水溜りを飛び越えるシーン)んだけど、これは漫画的な見せ方だなー。非常にコミカルで、本作の雰囲気によく合ってた。でも他の京アニ作品でも使ってたっけか。覚えてない。
  • 動き凄いなー。よく動くってより、仕草にオリジナリティがあって京アニクオリティ。
  • たまこが天使みたいな人格しとるな。あと声がちょっと上擦って裏返る感じも良い(CV洲崎 綾)。
  • デラが映写機になったり通信機能があるやつ、清々しいほどのノー説明で素敵だった。
  • 9話「歌っちゃうんだ、恋の歌」。こういう多人数のエピソードを消化した詰め込み気味の話って好みなんだけど、悩んでるあんこをもち蔵・デラ・たまこ達みんなでサポートしてあげたり、親父のエピソードはもちろん、もち蔵の誕生日まできっちりフォローしてて、細部まで行き届いた大満足回だった。餅つきシーンのかんな・チョイの動きも良かったし。
  • なんでこの手の癒し系作品で母親が亡くなってるとか影落とすような設定付けるしー! って思っちゃうな。わからんでもない気はするけど、やっぱかわいそうって思ってしまうし。もち蔵の母親がわりと空気だったのもその辺り考慮して目立たせないようにしてたんかな。
  • 影を落とすと言えば、「商店街」ってだけで衰退が連想されて妙な気分になる。大型スーパー来襲とか不況で閉店とかがお約束すぎて。
  • デラがすげぇ良い奴なんだけど、ただの人格者ってだけじゃなく、失礼なこと込みでなんでも言えるからこその付き合いやすさみたいなのも持ち合わせているのが強い。「まぁコイツ鳥だしな」みたいなとこもあるよな絶対。



みなみけ ただいま 1 [Blu-ray]
 とくに言うことなくて困る。やっぱ本作の笑いの本質は「アンジャッシュ」的なディスコミュニケーションの笑いだなーってとこかな。可愛い女の子たちがグダグダくっちゃべってるだけの典型的萌え作品に見えながらその実ちゃんと独自(?)の笑いの方法論を武器にしてるところは好感が持てる。だからこそこう長いこと人気を獲得し続いてるんだろう。


 ただやっぱ飽きてきた感はあるなー。新しいところが何もないんだもの。そこがいい・それでいいという人も多いんだろうけど。このキャラはこの扱い、この役回り、このキャラはこのオチ、というふうにパターンとして固定するんじゃなく新しい面も見せて欲しいんだよね。ただでさえ時間が進まない、変わり映えのしない世界なんだし。そう、変化が欲しい!


 なので今期で見れた藤岡と南アキラ(三男)のやり取りあたりは楽しめた。藤岡がいつものキャラと違う。逆に保坂あたりはこれまでの焼き直しに過ぎなくてあんまり……かな。


 あとタケルの登場回は全部面白かったか。全員のボケに対しタケルが一人でツッコミ入れ続けるというやつなんだけど、あれもなんかの影響受けてるのか完全にコントだ。ツッコミがいちいち控えめで丁寧なのもキャラに合っていて良かったし。夏奈の寿司わらしべ長者に対して「夏奈ちゃんとうとう上りつめたねぇ!」みたいなボケに乗っかり気味のツッコミとかちょっとクスリとくる。


  • 夏奈はああ見えて周りが見えてて空気も読めてるし、実は美少女だしでけっこういい女だ。パッと見三姉妹で一人だけ毛色の違う夏奈が残念な子みたいに見えるけど全然そんなことはない。
  • 夏奈にしろ春香にしろ、異性を意識してドキドキするようなシーンあればもっと可愛いんだろうなとか思うんだけど、でも本作はそういうのないよな。基本誰にも靡かないことで、女キャラオンリー作品の作風(視聴者が男キャラに嫉妬しなくていい)に寄せてるのだろう。



ジョジョの奇妙な冒険 Vol.9  (アニメ原画集「戦闘潮流」、全巻購入特典フィギュア応募券付き)(初回限定版) [Blu-ray]
 二部の途中から見た。原作読んでた時は長々してた印象あったけどまったくそんなことなくテンポよく、不要な部分もなく良い意味であっさり終わった。よくまとまっている。この無駄の無さは三部や四部にはない二部の美点の一つだろう。一部はよく覚えてない。
 シンプルで解りやすい展開に、少しばかり大げさな感情表現(+それを可能にする主人公)と、やや古臭いながらも貫禄の王道作品といった面白さを味わわせてもらった。現代作品にありがちな病的・鬱的なじめじめ展開もなくスカッと爽やかなノリで、胃にもたれないエンタメ。「あー面白かった」ってあとくされなく見終われる。
 描き文字の演出だの仰々しいなナレーションなど、『ジョジョ』らしい個性に彩られつつも意外とそれが鼻につくことはなかったしなぁ。


 やっぱアニメだと漫画に比べて直感的に解りやすい・理解が深まる部分ってあると思うんだけど(部屋の間取りとか)、本作もどことは言い難いながらその恩恵が大きかったと感じていて、そういう意味でもこのアニメで三部とか四部を見たいなーと思ってしまった。どうなるのかわからないけど、あんな終わり方されたら期待してしまう。



ぷちます!  ‐ プチ・アイドルマスター ‐ Vol.1 [DVD]
 最初は可愛いかなーとか思ってたんだけど、独自妄想の強すぎる世界観についていけず、かなり辛かった。
 キャラの可愛さを描きつつニヤニヤできるような萌え展開を望んでるところは作者も視聴者も同じだったと思うんだけど、果たしてそのために瞬間移動能力だの分裂能力だの召喚能力だのが必要だったのかと甚だ疑問。なんか世界各国行ってどうこうってシチュエーションがまず原作の世界観無視しすぎだし、キャラも崩壊してるし、『きょうのわんこ』リスペクト風味のナレーションも寒かったし、たまに出る原作絵(?)は全然可愛くないし……。
 そんなわけで最初は毎日見てたのが一度二度と見逃しはじめて、週一の総集編待つようになるもののそれをも見逃すようになり、気付いたら終わってたんだよなぁ……。なんで一度見逃しただけで金払っても見れない仕様にしたんだろう。
 それに尺が短いなら短いまま放送すればいいものを毎回前回あらすじと予告あるわ、総集編ですら話単位でOPEDあるわでストレスの溜まる作品だった。


 俺はちっちゃいキャラが「うっうー」だの「あふぅ」だの鳴いてるだけの表面的な可愛さよりシチュエーションに炙り出される性格の可愛さを見たかったんだけどあまりそういう作品ではなかったよね。ホントに作者の妄想についてけないって一言に集約されちゃうな。
 あーでも、そもそも作者は萌えではなくスラップスティックなギャグがやりたっかったって可能性もあるか。そうだとしてもって感じだけど。





えび天。何かと思ったらえび天ヘアーってことか。

  • 最初に律っちゃん(でかいほう)が可愛くて惹かれたんだけど、俺にとってはそれだけの作品だったかもしれない。いやでも本作の律っちゃんはデフォルメとは言え律っちゃん史上一番可愛い気がする。モバマスの律っちゃんは全然なのにね。