2011年10〜12月期アニメ感想 3



Fate/Zero

『Fate/Zero』 Blu-ray Disc Box Ⅰ
 すっげぇ言いにくいことなんだけど実はFateをやったことがない非国民で、でもこれは知らなくても見れるって聞いたんで見てみたんだよね。Fate面白い面白いと聞いてたからどんな話なのかと思ったら現実世界の過去の偉人召喚するって作品だったんですね。バトロワとは知ってたんだけど、「これで面白くならないはずがない」っていう設定きいただけでワクワクするような快感系の要素が入ってるとは思わなかった。今だと『ドリフターズ』が似てるね。


 本編に関しては今んとこあんま言うことないかも。とりあえずライダーとぐるぐるくらい? なんかウェイバーがヒロインとか言われてて、
「あーはいはい、本来はヒロインって女の子指していう言葉なのに男に対して使ったうえにぺろぺろ弾幕張ってる俺ら面白ぇー! っていうアレね。自分で考えたわけでもないのに「ちょっと他人とは目の付け所が違うユーモラスな俺」をアピりたくて「海原雄山ツンデレ!」とか得意げになって言っちゃってるオタク特有の気持ち悪い自意識が色々混ざり合ったアレと一緒でしょあーはいはい」
 とか思ってたけど最後のあたりはそんな俺すらぐぅの音も出ないほどマジヒロインだった。あれ? セイバーさん主人公でもヒロインでもない?


 続きが始まるまでにFateやって可能ならZeroも読んでおきたいけどノベルゲーでプレイ時間60Hとか言われたらちょっと構えてしまう。マジ時間ない困る。





ペルソナ4 the ANIMATION

ペルソナ4 4【完全生産限定版】 [Blu-ray]
 なんだか面白いこと(ゲームを忠実に再現してる)をやっていると聞くまで見る気なかったんだけど、これを見ようとしてなかったって恐ろしいよなー。見てみたら自分の嗜好アンテナに直撃して、この期では一番面白い作品だった。好きなアニメリストに入るレベルの趣味に合った作品。好きなとこ挙げてく。


ギャグ
 ギャグが全然オタクよりじゃない。ラブホとかゲイネタとかは出るんだけど『はがない』『ベン・トー』(その他多くの作品)みたいに腐だの百合だのといった本物の変態は出てこないし『妖狐×僕SS』みたいにいきなりキャラがデフォルメされることもないしオタクっぽいことは一切やらない。いま前者って特に鉄板になっていて、数え上げればきりないくらい男キャラ女キャラ問わず変人変態が大量発生してるんだけど、本作のキャラはみんな普通の範囲内なんだよね。そこが物足りない人もいるだろうけど俺は心地よかった。
 もちろん出前関係とか色々現実離れしたネタはあるんだけど、ぶっとんだキャラがいなくても、普通のキャラクター達だけでも面白い空間はあるんだよってのを見せてくれてる感じがして好きなんだよね。
 そしてなによりキャラ普通だからといってギャグが少ないわけではない。結構シリアスな作品かと思ったら全然そんなことなくて隙あらばぶっこんでくる。
 完二から逃げながら小銭受け渡したり、逃げおおせたばかりでみんな膝に手をついてるなか一人肉丼かっ食らう千枝とその千枝に向かって息切らしながら開口一番「千枝、おいしい?」と訊く雪子とかすげぇ面白かったなー。俺が見たかったのこれだわー。


ゲーム的なノリ
 誰かが喜ぶと「パァアアッ」って明るいSEと共に花が咲くエフェクトが付いて、そのキャラとの親愛度上がったようなゲーム的満足感があるんだよね。あのエフェクト出るとなんか嬉しくなる。


菜々子
 ドラクエのような自己投影型の主人公が感情移入装置になってるかと思いきや本作の感情移入装置は一に奈々子、二に奈々子であった。奈々子に関する描写のアレやコレが本当に上手くて引き込まれる。「喜ばせたい」とか「良い子だ!」とか「守ってあげなきゃ」って気持ちが一々リンクさせられるんだよな。作中キャラとのシンクロ率が高い。
 13話の、「みんなを繋ぎとめていた事件の解決とともに仲間たちと疎遠になってしまい絆を取り戻したいがため事件の復活を願いテレビをノックする」あたりの描写もそうとう上手かったんだけど、本作ってピンポイントの演出が印象に残る上手さなんだよな。ジュネスで久保に絡まれて声を失くす描写はリアルで秀逸だった。




 そんなわけで久々にRPGなんてものをやりたくなってしまったなぁ。いずれやる。





WORKING'!!

WORKING’!! 7(完全生産限定版) [Blu-ray]
面白いなー。『イカ娘』なんかは「見れば面白いんだろうけど二期途中から見なくなったし三期はもういいよ」って感じなんだけど、本作は三期あってもいいなって思えるレベル。何がこんなに面白いのかって考えたら、ネタの充実感かな。結構ぎゅうぎゅうに詰められてるように感じたんだよね。『イカ娘』と違って話を区切ってないからかもしれない。『森田さん〜』を30分見たらこんな感じなのかも。


 佐藤さん関連の話が好きだったな。佐藤さんはキャラ自体が好感度高いし格好良くて好きだ。申し訳程度で結局関係性は変わらないんだけど、なんだか進展・変化しているように見えるところも「お?」と興味を持ってみれる。それはこの作品全体に対して言えるかな。


 でもこの作品面白いとこだけじゃなくて不快に思っちゃうところもあるんだよなー。厄いところよ。
 多くは暴力を振るう伊波さんが気に入らないらしいが、俺の場合「それはそういう病気であり伊波さん自身の性格はとても良い娘」と思っているのでムカつきはしない。それよりも小鳥遊くんの伊波さんや山田に対する冷たすぎる言動や、店長の仕事してなさ加減とかだ。あと、発展・変化した結果であるところの新キャラ、店長の後輩二人。悪くないけどそれほど良い(面白い)とも思えない。あれ、姉の方は佐藤さんの邪魔をする人間としての存在意義があるとして、弟くんの方はいらなくね?
 あとまた話変わるけど武道やってる山田兄に勝てちゃう小鳥遊って設定はすごい盛り下がったなー。器用系なのはいいけどそこは負けとけよー。小鳥遊くんは「伊波さんの世話を投げ出さずにやってる」時点でもう十分格好良いわけで、そこに「抵抗できるけどしない」格好良さは付加しなくていいだろうよ。違うんだけど、「弱い奴が勇気出してるとこが格好良いと思ってたら実は強かった」みたいなものを見せられた気分だし、本当に何でもできる奴ってのが萎える。それにこれだと山田兄含めた三角関係が本格的に形成されたとしても、すべてにおいて小鳥遊>>>山田兄だから勝者小鳥遊! ってことになっちゃわないか? 小鳥遊くんも山田兄に対して焦らざるをえないポイントがあった方が良いと思うけど。


 要は、キャラものなんだな。キャラの性格と設定と関係性だけを作ってそれを適当にワグナリアってファミレス(箱庭)に転がして見せてる。
 だから全員を巻き込んだ騒動(たとえば、ワグナリアが潰れそうになる)とかは起きなくて、起こる問題も物語の縦軸も各々の恋愛模様なり、山田の家庭の事情や伊波さんの病気なりとすべて個人レベルの話におさまっている。だから好きなキャラの話は面白くみれるけど嫌いなキャラになると途端につらくなる。この手のキャラものは作品の好き嫌いがキャラの好き嫌いとイコールになりやすい。


 余談だけど、北海道はおろかファミレスが舞台である必然性すら感じられないのもそういう原因だろう。
 でも立場年齢様々な人間が一カ所に集まってワイワイやる楽しさを描こうとしたら舞台が学園じゃダメだったってことなんだろうな。それにしちゃ年齢層低いとは思うけどさ。






ベン・トー

ベン・トー ⑥ [Blu-ray]
 設定のリアリティのなさが飲み込みがたくて、最初はいまいちに感じてたんだけど、3話くらいで「戦って手に入れた半額弁当は高級料理より美味い」を提示されて以降はわりとすんなり受け入れられ、楽しめるようになった。それまでは「その金があるなら定額弁当買えよ」的なツッコミが通ってたと思うけど、弁当手に入れりゃいいわけじゃないなら金の問題じゃなくなるし、戦うことに意義がでる。
 なんかバカ設定とリアリティの引き合いにおける着地点が慎重だった印象だな。上記の「なぜ戦って半額弁当を勝ち取らねばならないか?」もだけど、中二的な二つ名に対して「格好つけてるように見えて由来はけっこう間抜け」とか。バカなままでも面白かったとは思うけどそこに適度なリアリティを持たせてくれるのはうれしい。バランスが良いというのかな。


 ハーレムってわけでもないし『はがない』の賑やかさに比べたらちょっと落ちるかなーとか思ってたんだけど、毎回必ずアクションシーンが用意されていたり、やってることは基本同じながら、各回ごとに違う問題が起こったりしててなかなか見応えがある作品だったな。それに戦い終えた後にみんなでキャッキャと飯食ってる雰囲気がいちいちハッピーエンドっぽくて良かったし。


 ところで本作って毎度色んなスーパーに足伸ばすわけだけど、金欠の主人公くんがバスや電車など金のかかる公共交通機関利用したとも思えないから基本歩いて行ける距離にあるわけだよね。で、そんな範囲内にわりと大きめのスーパーいっぱいあるって、土地的にはどのあたりが想定されてるんだろう。モデルとかあるんだろうか。





スイートプリキュア

スイートプリキュア♪ 【Blu-ray】 Vol.4
 ツンツンしてた四人が全員丸くなる話。ツンツンしてた頃の方が面白かったなー。


 改心して人間の姿になったセイレーンが猫の姿のセイレーンと同じだった実感が持てないよね。すげー乖離してるように感じた。操られてたっていっても100%別人格だったわけじゃないんだからさ。もうちょっと高飛車だったりプライド高かったりツンツンしてるとこが残っててもいいんじゃないのか。そんで王子先輩のフラグはどこ行った。
 それにセイレーンだけじゃなく全員が全員、丸くなってからというもの性格の差異がまるで感じられなかった。
 終盤なんてとくに、四人いるけど四人全員同じ性格で同じ動きしかしない。立場の差しかない。


 序盤(三月くらい)の響と奏が喧嘩して、でもちょっとずつ昔みたいに仲良くしだして……公園の鍵盤オブジェの上を手つないで一緒に歩いたりして……っていうあのあたりはすごい面白かったんだけどなー。


 キャラデザや作画は好きでした。マスコットキャラのペットがわけのわからんわた菓子のお化けみたいなのじゃなくそこいらの作品で見かけるようなオーソドックスな喋る猫だったのも良かったです。「〜だニャ」は許せるけどわた菓子の方の独特すぎる語尾と幼児的な性格は苛つきます。猫に限らず動物モデルならまだいいんです。何なんですかあのわた菓子は。でも次はまたキャラデザもペットも昔のタイプに戻るみたいですね。今からちょっと戦々恐々です。何この縛りー。




 以上で11年10〜12月期感想は終わり。2クール目残ってる作品や続いてる作品が2つづつある状態だったけどそれは現時点の感想ってことで。
 01〜03月期はモチベに反してあんまみれそうにないなー。