かなめもがつまらない


「わーい、僕好みの日常ほのぼの系アニメだー! やったねー!」とか思い、無意識に考えないようにしていたようだが、つい先日、ついに考えてしまった。
「……このアニメ、つまらないんじゃないか?」と。


んで、以下、つまらないと思ったトコ。


・ここがつまらないよポイント その1「主人公が何故一人で生きていかなければならなくなったのかがよく解らない」
「ばあちゃんが死んだあと家で寝てたら家財道具が売り払われてたから逃げ出してきた」とかまったく意味が解らなくて、違う意味で驚きの第一話。誰が売り払おうとしたんだ?
おそらくそのあたりには何らかの誤解や早とちりがあり、最終回においてそれは解消され、「身寄りがなくなってた訳じゃなかった! 良かった良かった、めでたしめでたし」になるのだろうけど、誤解や間違いならそれらしく描いてくれ。
その時点では伏線だと判らない――"明示しない伏線"を描きたかったのかもしれないけど、そうだとしたら完全に失敗してる。明示的伏線にしなかったせいで視聴者読者に気持ち悪い消化不良感を与えてしまっているからだ*1
この事情を説明されて、「ああそうなのかー、それで身寄りがなくなったのかー」と思える人がいたら至急、私のところへ来なさい、だ。僕は「えっ? 意味が解らない」と思った。
そして、ここが大事なのだけど、この訳の解らない事情で身寄りがなくなってしまった主人公かなに、まったく同情やら感情移入ができない。
寧ろ「何故そこで事情を訊くなり調べるなりしないのか」というもどかしい苛々がかなり主人公の好感度を下げてくれている。
"変な子だけど頑張りや"、"天然だけど良い奴"みたいなキャラとして作られたであろう主人公の印象が未だ「何この変な子」から変化していない原因の一つには、間違いなくこの件がある。


要は、「大事なところがぶっとびすぎててついていけない」ということだ。
ダラダラ説明されるのもいやだけど、最低限納得できる程度には現実的な説明をしてくれよと。


・ここがつまらないよポイント その2「主人公が好きになれない」
かなは、上記の、"変な子だけど頑張りや"、"天然だけど良い奴"というキャラになりきれてない。
この手の主人公は他の登場人物に大なり小なりの影響を与えないといけないと思うのだけど、僕から見るとかなは、
「自分のミスを皆にカバーしてもらって、許してもらってるだけのキャラ」にしか見えない。
かなの行動に心打たれたり、かなの行動に救われたりした風新メンバはいない……はずだ。


・ここがつまらないよポイント その3「ガチ変態に引く」
漫画アニメの話なのでそこまで引く訳じゃないのだけど、ゆめとゆうきのレズは勿論、幼女のお漏らしを想像して悶えるはるかとかちょっとガチすぎだコイツら。
「確かに百合萌えとかいう言葉はあるけれど、そこは直接的に描いちゃ駄目だよ。視聴者に想像の余地を残してあげるという形で提供してあげないと、公式で描かれてもそのあざとさと露骨さに萎えたり引いたりするだけだよ。それにほら、他の漫画アニメでの"百合"の実態は、憧れとか友情とか男性性への畏れから来てるものでしょ? ガチ変態はギャグにしても受け入れ難いんだよ」
という言説は既に常識と化し広く人口に膾炙していると思っていたのだけど……何故こんなことに?


とりあえず思いつく可能性としては、作者がガチの変態だったか、作者がガチの変態好きだったかだ。
が、「"変態好き"ってそれ変態だろ?」という脳内住人に一言も反論できなかったので僕の中での可能性はただ一つに絞られた。作者が変態だったのだ。




……参考までに僕の百合許容範囲を挙げておくと、『マリア様がみてる』『ストライクウィッチーズ』は許容範囲。『まりあ†ほりっく』は"男性恐怖症故に"という点で何とか。咲も露骨だがまぁ……何とか。本作は当然マイナスになってしまう*2
で、書いてて疑問に思ったんだけど、「百合萌え」とか言ってる人は友情や親愛の裏返しではないガチレズでも萌えるということですかね?

*1:仮定話で批判することはしたくないけど、僕はほぼ間違いなく伏線だと思っているので書く。この意味不導入が伏線ですらなかったとしたら、より大きなショックを受けるであろう

*2:この辺りについては、作品を百合度で並べてみるのも楽しいかもしれない